[ アートの部屋 ]





『アートの部屋』へようこそ!


*ここで紹介する作品は、主にメキシコで製作したもので、オリジナルの題名は
スペイン語です。その為、日本語の題名が、今ひとつシックリ来ないものもある
ことを、予めお知らせします。


当方の作品の大きな特徴は、その発想の根幹が音楽から影響を受けていること
です。特に最近の作品は、内に秘めた音楽的感性が何処からともなく沸き上が
り、自身を描きたい衝動に駆り立てて完成したものばかりです。
作風はシンボリズム(象徴主義)系統ですが、最近の作品は特にネオ・シンボ
リズム(新象徴主義)に移行しています。

そんな、メキシコで行きなりゼロから始めたアートですが、何かを感じて
頂ければ幸いです。

■ 絵画のページ :  主に油絵を中心に紹介します。

■ 版画のページ :  銅版画を中心に紹介します。   


 

絵画のページ



(作品はクリックすると拡大します。)

・題名:『悲しみのもっと向こう』("Más allá de la Tristeza") ----------------------------------- 油絵 三部作 3辺合計:100X240cm(2010年作)
・題名:『悲しみのもっと向こう』("Más allá de la Tristeza") ----------------------------------- 油絵 三部作 3辺合計:100X240cm(2010年作)

 

自分の作品の大きな特徴は、表現の奥に、常に音楽的感性が潜んでいることです。
この作品に込めたメッセージは、悲しみの更にもっと向こうの、我々が必ずや遭遇しなければならない深淵に澱んでいる例え様のない行く末。そんな何かを感じ取れて頂ければ幸いです。

 

 

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・題名:『春の宵』("La noche de Primavera") --- シューマン作曲、歌曲集『リーダークライス Op.39』より ------------------------           油絵 三部作 3辺合計:100X240cm(2010年作)
・題名:『春の宵』("La noche de Primavera") --- シューマン作曲、歌曲集『リーダークライス Op.39』より ------------------------ 油絵 三部作 3辺合計:100X240cm(2010年作)

 

学生の頃、『リーダークライス Op.39』の第12曲『春の宵』を学んだ時から、自分の内に漠然としたイメージが沸き、いつか描いてみようと思っていました。結局、当時頭に描いたイメージとは大幅に異なる結果となりましたが。(笑)

 

なお、他に開設している当方のブログから、関連記事を一部抜粋して下記に紹介します。

 

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〜〜〜 だから、ドッチかと言うと、『ネオ・シンボリズム』(新象徴主義)と言うよりも、『ネオ・インプレッショニズム』(新印象主義)と言った方が近そうな作品だネ。

その点、曲の感動を、そのまま絵にぶつけて表現したものなので、他の作品よりも理解し易いかも知れないヨ。

因に、ドイツ語の歌詞の対訳は、下記のとおり~。


『春の夜』
  - アイヒェンドルフ詩(対訳:植村敏夫)

庭をこえて 風のまにまに
渡り鳥が 渡っていくのが きこえた
これこそ 春の息吹き
地上では もう 花が 咲きそめている

私は 叫び声をあげたい 泣きたいけれど
それは ありえないことのような 気もちだ
古い奇跡が 月の光とともに
ふたたび さしこんでくる

月が 星が 語っている
夢みつつ 森は ざわめく
夜鶯も それを 歌うのだ
少女は おまえのもの おまえのものとーー

(出典:世界名歌曲全集8『シューマン歌曲集』(音楽之友社出版))


ってことで、つまりは、月明かりのある春先の夜風に乗って、星達が、森の木々が、うぐいすまでもが、『少女はおまえに気があるから、勇気を出して告げちゃえ!好きだと!!』。

多分??そんな内容だと思うヨ。
で、絵の丸い玉は、言うなれば、うぐいす。
でで、花はハート型で、『愛』を表したつもり~~。

 

 

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題名:『悲しみの収穫 I』("La cosecha de la tristeza I")   -ラフマニノフ作曲、歌曲集『6つの歌曲 Op.4』より ----------------------  油絵 100X100cm(2009年作)
題名:『悲しみの収穫 I』("La cosecha de la tristeza I") -ラフマニノフ作曲、歌曲集『6つの歌曲 Op.4』より ---------------------- 油絵 100X100cm(2009年作)
題名:『悲しみの収穫 II』("La cosecha de la tristeza II")   -ラフマニノフ作曲、歌曲集『6つの歌曲 Op.4』より ----------------------  油絵 100X100cm(2009年作)
題名:『悲しみの収穫 II』("La cosecha de la tristeza II") -ラフマニノフ作曲、歌曲集『6つの歌曲 Op.4』より ---------------------- 油絵 100X100cm(2009年作)

 

ラフマニノフ作曲、『6つの歌曲 Op.4』の第5曲、日本語題名『ああ私の畑よ』から着想を得たもので、『悲しみの収穫』と言う題名は英語訳の直訳です。ある種、自身の感情を描いたと言える連作です。


と言う訳で、細かい状況説明は、他の当方ブログから下記に抜粋します。

 

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(歌詞対訳)

ああ私の畑よ
お前を一度に刈ることは出来ない
お前を一束に縛ることは出来ない

ああ私の思いよ
お前を一挙に肩から振り落とすことが出来ない
お前を一口に言い表わすことが出来ない

畑よ風があやしたのはお前だったの
お前の穂を大地まで折り曲げ
お前の実った実をみんな巻き散らして

遠く想いが飛び散って行き
その想いが落ちたところに
悲しみの芽が生えて
激しい悲哀が育って行った

- - - - - - - - - -


多分、この歌詞は可成り意訳していると思うんだけど、広大なロシアの畑を想像して欲しい。

風が(凄く想い入れのある)実った実を遠くまで飛び散らしてしまい、想いが至る所に巻き散らされて、想いが落ちたところから悲しみの芽が生えて、至る所から激しい悲哀が育って行き、辺り一面、悲しみで一杯になってしまった・・・。

そんなとてつも無く悲しい歌を、自身が受けた『差別』(※)に照らし合わせて描いたものが、この作品なのだ。

 

つまり、左上の『丸い待ち針』みたいなものが、元々は『鼻くそ』だったものが、ここではシンボルとして現れている。

右下のは、飛んで行った実(想い)が芽を出して、そこからまた種が生まれて、悲しみが際限なく生まれ変わって行き、辺り一面が悲しみで覆われてしまうというもの。

 

では、『この作品に込められているメッセージは何か』と言うことだがーー、


誰かが何気なく発した言葉が、受け取る側によっては針の様に鋭く突き刺さることがある。
言われた時は(或いは行動で示された時は)大して感じなく笑って過ごしても、時が経つに連れて、その言葉(や行動)がひしひしと身に沁みて、例え様も無いくらいな悲しみに覆われてしまうことがある。

この深い悲しみは、やがて悩みに移行して、もはや自分ではどうすることも出来ない様な『壺』に落ち込んでしまい、その『壺』の中で徘徊するしか無くなってしまうのだ・・・。

・・・・・・・・・・。

えっ?チョッと~~怖過ぎる~??

 

 


 

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